
住宅ローン控除は、家づくりで使える減税制度のなかで、もっとも金額の大きいものです。
年末のローン残高に応じて、所得税などが戻ってきます。ただし2026年(令和8年)入居からは、借入限度額が住宅の性能と世帯で細かく分かれ、条件を満たさないと控除がゼロになるケースもあります。
この記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の立場から、2026年入居の住宅ローン控除を、借入限度額・子育て世帯の優遇・戻る額の考え方まで整理します。数字はすべて2026年(令和8年)入居の新築を基準にしています。
自分がどの枠かは、次の早見表で確認できます。
住宅ローン控除は、年末時点のローン残高(借入限度額が上限)に0.7%をかけた額が、その年の所得税から差し引かれる制度です。所得税で引ききれない分は、翌年の住民税からも一部引かれます。
新築の控除期間は13年。つまり、条件を満たせば最大13年間、毎年戻り続けます。
制度そのものは、2026年(令和8年)1月から2030年(令和12年)12月に入居する住宅まで、5年延長されました。今から家づくりを始める人も対象です。
ここが2026年控除の中心です。借入限度額(控除の計算に使えるローン残高の上限)は、家の省エネ性能と、世帯のタイプで変わります。
| 住宅の性能 | 一般世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
| その他(省エネ基準未満) | 対象外 | 対象外 |
性能が高いほど、限度額が大きくなります。同じ家でも、子育て世帯・若者夫婦世帯なら上乗せがあります。
ひとつ注意したいのは、この数字は2026年(令和8年)入居のものだということです。2025年入居とは金額が違います(たとえば省エネ基準適合の一般世帯は、2025年の3,000万円から2026年は2,000万円に下がっています)。ネットで古い記事を見て判断しないよう気をつけてください。
2026年入居でいちばん大切なのが、この点です。
省エネ基準(断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上)を満たさない新築は、2026年入居から住宅ローン控除を受けられません。以前あった「その他の住宅でも一部控除」という経過措置は、2026年入居分から終了します。
とはいえ、注文住宅を建てる人が過度に不安になる必要はありません。2025年4月から、新築はこの省エネ基準(等級4)への適合が義務になっています。つまり、これから建てる注文住宅は、基本的にこの基準をクリアします。
大切なのは「自分の家がどの性能区分か」を、契約前に住宅会社に確認しておくことです。等級4なら「省エネ基準適合」、さらに上ならZEH水準・認定長期優良と、限度額が上がります。性能は控除額に直結するので、早い段階で確認しておきましょう。
プロの視点
性能区分は、控除額だけでなく補助金にも関わります。ZEH水準や認定長期優良を狙うなら、控除の上乗せと補助金の両取りができることもあります。「等級4で十分」と決める前に、一段上の性能にした場合の"控除+補助金"の差額を、住宅会社に試算してもらうのがおすすめです。
表のとおり、子育て世帯・若者夫婦世帯には借入限度額の上乗せがあります。
定義は、入居した年の12月31日時点で、次のどちらかに当てはまることです。
どちらかに該当すれば、上乗せされた限度額が使えます。たとえばZEH水準の家なら、一般世帯は3,500万円ですが、子育て世帯なら4,500万円まで対象になります。差は1,000万円分の残高、控除額にすると年間7万円の差です。
戻る額の基本は、シンプルな掛け算です。
その年の年末ローン残高(借入限度額が上限)× 0.7%。これが、その年に戻る額の目安です。
たとえばZEH水準の家を建てた子育て世帯が、年末残高4,000万円だった場合。4,000万円×0.7%=28万円が、その年の控除額の目安になります(借入限度額4,500万円の範囲内なので、残高全額が対象)。
ただし、実際に戻る額は「あなたが納めた所得税・住民税」の範囲内です。控除額が納税額を上回る場合、上回った分は戻りません。共働きで世帯の納税額が大きいほど、控除を使い切りやすくなります。
床面積は原則50㎡以上(合計所得1,000万円以下なら40㎡以上)、控除を受ける人の合計所得は2,000万円以下、といった要件もあります。
控除で戻る額に目が行きがちですが、家計への影響がより大きいのは金利です。
控除で戻るのは年末残高の0.7%。一方、住宅ローンの金利は借入先によって差があり、その差は総返済額で数百万円になることもあります。控除の枠を意識しつつ、金利も含めて借入先を選ぶのが、いちばん総額を抑える近道です。
借入先の比較には、無料の住宅ローン比較サービス「モゲチェック」が使えます。運営は株式会社MFS(東証上場企業)で、あなたの条件で借りられる銀行と金利をまとめて比較できます。控除の枠と金利の両方を見ながら、自分に合う組み方を検討しましょう。
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住宅ローンを無料で比較する(モゲチェック)Q. 2025年入居と2026年入居で、控除は変わりますか?
変わります。とくに借入限度額が違います。省エネ基準適合の一般世帯は、2025年の3,000万円から2026年は2,000万円に下がっています。必ず「2026年(令和8年)入居」の数字で確認してください。
Q. 控除を受けるには何をすればいいですか?
入居した翌年に、確定申告が必要です(会社員は初年度のみ確定申告、2年目以降は年末調整で対応できます)。
Q. 省エネ基準を満たしているか、どう確認しますか?
住宅会社に「断熱等性能等級」と「一次エネルギー消費量等級」を確認してください。等級4以上なら控除の対象です。証明書類(住宅性能評価書など)の発行についても相談しておきましょう。
Q. 共働きだと控除は増えますか?
夫婦それぞれがローンを組む(ペアローン)と、それぞれが控除を受けられます。世帯全体で使える控除の枠が広がる場合があります。組み方は金利や団信とあわせて検討しましょう。
住宅ローン控除は、性能を上げるほど枠が広がる制度です。自分の世帯と性能区分を確認し、金利まで見て、いちばん無理のない組み方を選んでください。
※本記事の金額・条件は2026年7月時点の公式情報にもとづいています。最新の内容は必ず上記の公式ページでご確認ください。
※本記事の税制の内容は2026年(令和8年)入居の新築住宅を基準に、国土交通省・税制改正資料をもとに作成しています(2026年7月時点)。個別の適用可否は、住宅会社や税務署・税理士にご確認ください。