
ヤマト住建は「高気密・高断熱」を前面に出している会社です。カタログにも展示場にも、性能の高さを示す言葉が並びます。
ただ、家づくりでお金に直結するのは、その言葉ではありません。住宅ローン控除も補助金も、決めているのは「等級」という数字だからです。
同じ会社で建てても、どの等級を取るかで控除の枠は最大3,000万円、補助金は最大90万円変わります。ここを知らずに進めると、取れたはずのお金を取り逃がします。
ヤマト住建が公表している数字と2026年の制度を突き合わせて、実際にいくらになるのかを整理しました。あわせて、自分の家がどの等級なのかを契約前に確かめる方法もまとめています。

まず、会社が自分で出している数字を並べます。以下はすべて、同社の公式サイトに掲載されているものです(2026年8月時点)。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 気密性能 | 2025年度の平均C値 0.29(建築実績1,229棟。うちC値0.1以下が208棟) |
| 気密測定 | 測定を実施して数値化。気密測定技能者が18名在籍 |
| BELS | 2019年から第三者評価を全棟標準(同社サイトに注記あり)。評価書取得件数は全国7位、戸建住宅メーカーでは全国4位 |
| ZEHビルダー評価 | ★6つ(最高評価) |
| ZEH受託率の実績 | 2016年度49% → 2017年度70% → 2018年度76% → 2019年度73% → 2020年度78% |
| 窓 | Low-Eトリプルガラスを使用した高断熱樹脂サッシ |
C値は、家にどれくらい隙間があるかを示す数字です。小さいほど隙間が少なくなります。
同社は「北海道などの寒冷地水準である2.0cm²/m²を上回る、0.5以下を実現」と説明しています。実績の平均が0.29なら、その基準をさらに下回っていることになる計算です。
ここで押さえておきたいのは、C値は現場で1棟ずつ測らないと分からない数字だということです。カタログの理論値ではなく、建てた家を実際に測った結果になります。測定を実施して公表している会社は、そう多くありません。
プロの視点
ただし、C値は住宅ローン控除にも補助金にも使われません。制度が見ているのは断熱等級と一次エネルギー消費量等級です。気密性能は住み心地に効く数字で、お金の判定に効く数字とは別だと分けて考えてください。ここを混同すると「高気密だから補助金が多いはず」と思い込むことになります。

2026年の制度が判定に使っているのは、次の2つです。
この2つの組み合わせで、住宅の性能タイプが決まります。
そして2026年入居からは、省エネ基準を満たさない新築は住宅ローン控除の対象外になりました。以前あった経過措置は終了しています。
とはいえ、これから注文住宅を建てる人が不安になる必要はありません。2025年4月から新築は省エネ基準への適合が義務になったので、基本的にはクリアします。問題はそこから上に何段上がるかのほうです。
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
ヤマト住建の公式サイトを見ると、気密性能(C値)は実績値まで細かく公表されています。一方で、商品ごとのUA値は商品ページに記載が見当たりません(2026年8月時点で確認できた範囲)。
これはヤマト住建に限った話ではありません。多くの住宅会社が、商品ごとのUA値をウェブサイトには載せていません。地域や間取りによって数字が変わるからです。
ではどうやって確かめるのか。答えはBELS評価書です。
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)は、建物の省エネ性能を第三者機関が評価して認定する仕組みです。2024年4月から表示制度が改正され、内容が詳しくなりました。
同社サイトの説明によれば、断熱性能は家の形のマーク7段階で表示されます。UA値の等級とηAC値(日射の遮り方)の等級のうち、低いほうが表示される仕組みです。
つまりこの1枚を見れば、自分の家がどの枠に入るかが分かります。しかも第三者評価なので、営業担当の説明より確実です。
さらに実務上のメリットがあります。同社サイトによれば、第三者評価のBELS評価書は補助金を利用する際の証明書として使う場合があるとされています。全棟標準で取得している会社なら、申請の段階でこの書類を探し回らずに済むわけです。
プロの視点
打ち合わせで「断熱等級はいくつですか」と聞くと、たいていは口頭で答えが返ってきます。それで済ませず、「BELS評価書を見せてください」または「取得予定の等級を書面でください」と一歩踏み込んでください。等級は間取りや窓の大きさを変えると動きます。契約前の口頭の数字と、完成した家の数字が違うことは起こり得ます。
ここから具体的な金額です。2026年(令和8年)入居の新築の借入限度額を並べます。
| 住宅の性能 | 一般世帯 | 子育て世帯・若者夫婦世帯 |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 |
| 省エネ基準を満たさない住宅 | 対象外 | 対象外 |
控除額は、年末のローン残高(この限度額が上限)に0.7%をかけた金額です。期間は13年になります。
差を計算してみましょう。子育て世帯が4,500万円を借りたとします。
差は年10.5万円。13年で約136万円になります。等級を1段上げるかどうかで、これだけ変わるわけです。
※実際に戻る額は納めている所得税・住民税が上限になります。詳しくは住宅ローン控除2026の記事で計算方法を解説しています。

控除とは別に、補助金があります。2026年の新築向けは「みらいエコ住宅2026事業」です。
| 住宅タイプ | 1〜4地域(寒冷地) | 5〜8地域(温暖地) | 対象世帯 |
|---|---|---|---|
| GX志向型住宅 | 125万円 | 110万円 | 全世帯 |
| 長期優良住宅 | 80万円 | 75万円 | 子育て・若者夫婦世帯 |
| ZEH水準住宅 | 40万円 | 35万円 | 子育て・若者夫婦世帯 |
ポイントは2つあります。
ひとつは、GX志向型がもっとも高額で、しかも全世帯が対象だということ。子どもがいなくても、夫婦の年齢が上でも使えます。
もうひとつは、長期優良住宅とZEH水準住宅は子育て世帯・若者夫婦世帯に限られること。子育て世帯は18歳未満の子がいる世帯、若者夫婦世帯は夫婦のどちらかが39歳以下の世帯です。
ZEH水準住宅の35万円とGX志向型の110万円。ここには75万円の差があります。ヤマト住建のようにZEH実績のある会社なら、この上を狙えるかどうかを最初に相談しておく価値があります。
申請は遅くとも2026年12月31日までです。ただしZEH水準住宅の注文住宅は2026年9月30日までと、少し早く締め切られます。
さらに、補助金は国の予算の範囲で行われます。予算に達すると期限前でも受付が終わることがあるので、使うなら早めに動くのが鉄則です。
制度の詳しい条件は注文住宅の補助金2026の記事にまとめています。
ここまでの内容を、打ち合わせでそのまま使える形にします。
「高断熱です」ではなく、数字で答えてもらうのが目的です。等級5なのか6なのかで、控除の枠も補助金額も変わります。
あわせて「その等級はBELS評価書に載りますか」と聞いておくと確実です。
補助金の差は最大75万円です。追加費用がそれ以下なら、上げたほうが得になる可能性があります。
ここは金額で比べる質問にするのがコツです。「上げられますか」だと「できます」で終わってしまいます。
補助金には申請期限があり、予算上限もあります。着工と申請のスケジュールが合わないと、条件を満たしていても受け取れません。
「間に合いますか」ではなく「いつまでに何を決めれば間に合いますか」と聞くと、逆算したスケジュールが出てきます。
この3つの質問には、もうひとつの使い道があります。複数の会社に同じことを聞くと、会社ごとの姿勢がはっきり出るのです。答え方そのものが判断材料になります。
等級を即答できる会社、BELS評価書を当たり前のように出す会社、補助金の申請を代行している会社。逆に、口頭の説明だけで書面が出てこない会社もあります。
ヤマト住建はBELSを全棟標準にしているので、この質問には答えやすい側の会社です。だからこそ比較の基準として使えます。ここを軸に他社を並べると、どこが同じ水準にあるのかが見えてきます。
比べるときは、同じ条件を渡すのがコツです。土地の広さ、希望の間取り、予算をそろえて出せば、返ってくる提案の差がそのまま会社の差になります。
複数社にまとめて依頼できる無料サービスを使えば、この作業は短時間で済みます。要望欄に「断熱等性能等級とBELSの取得予定を明記してください」と書いておくと、最初から比較できる形で返ってきます。
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Q. C値が良ければ、補助金も多くもらえるのですか。
いいえ。C値(気密性能)は住宅ローン控除にも補助金にも使われていません。判定に使うのは断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級です。C値は住み心地や冷暖房費に効く数字なので、価値がないという意味ではありません。役割が違うと考えてください。
Q. BELS評価書はいつもらえますか。
一般には設計が固まってから評価を受ける流れになります。契約前の段階では「取得予定の等級」までしか分からないこともあるため、その場合は書面で示してもらってください。取得の時期についても、いつ手元に届くかを確認しておくと安心です。
Q. ZEHビルダーの星の数は何を意味しますか。
ZEHの普及目標と、実際の受託率などをもとに評価される仕組みです。ヤマト住建は★6つ(最高評価)と公表しています。ただしこれは会社単位の評価であって、個別の家の等級を保証するものではありません。自分の家の等級は、あくまでBELS評価書で確認してください。
Q. 控除と補助金は両方使えますか。
住宅ローン控除と補助金は、原則として併用できます。ただし補助金を受け取った分については、控除の対象になる住宅の取得対価から差し引く扱いになる場合があります。金額が大きい話なので、契約前に住宅会社と、必要なら税務署にも確認してください。
Q. 等級を上げると、どれくらい建築費が上がりますか。
間取り・窓の数・地域によって変わるため、一律の目安は出せません。だからこそ質問2のように「いくら追加になりますか」と金額で聞くことが大切になります。追加費用と、控除の枠の増加分+補助金の増加分を並べれば、上げるべきかどうかは自分で判断できます。
性能の話は、どうしても言葉が先に立ちます。でも、お金を決めているのは書面に載る等級です。
まずは自分が検討している会社に、この3つを聞いてみてください。同じ質問を何社かに投げれば、答え方の差そのものが判断材料になります。
※本記事は2026年8月9日時点の公表情報および制度にもとづく解説です。仕様・制度・補助額は変更される場合があります。個別の住宅の等級や補助金の可否については、住宅会社および各制度の公式窓口へご確認ください。当サイトはヤマト住建株式会社とは関係のない第三者の立場で作成しています。