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角地緩和とは|建ぺい率が10%増える条件と、1階が何坪広くなるかの早見表

執筆・監修:マイホーム研究所 編集人(宅建士・FP・賃貸不動産経営管理士)|2026年10月22日更新 ・ 読了目安 約7分

角地を見ていると、「角地は建ぺい率(1階の広さの上限)が10%増える」と聞くことがあります。ただし増えるのは、役所が指定した角地だけです。増えても、家全体が広くなるとは限りません。

何坪増えるか、家全体が広くなるか、自分の土地が対象になるかを、順に見ていきましょう。

まず結論

  • 角地緩和は、役所が指定した角地だけ、建ぺい率が10%増える決まり
  • 30坪・建ぺい率60%の土地なら、1階の上限は18坪から21坪に増える
  • 容積率(全部の階を足した広さの上限)は増えない。建ぺい率50%・容積率100%などの土地では、家全体の広さは変わらない
  • 角地の条件は役所ごとに違う。最終的には、役所の建築指導課で確かめる

角地緩和は、役所が指定した角地だけ建ぺい率が10%増える決まり

角地緩和は、役所が指定した角地だけ、建ぺい率の上限が10%増える決まりです。建築基準法53条3項で、対象を「街区の角にある敷地など」のうち役所が指定するものに限っているからです。

どの角地を指定するかは、役所ごとに決めています。そのため、道路の角にある土地でも、対象にならないことがあるのです。

同じ53条3項には、防火地域などで火に強い造りの建物を建てると10%増える決まりもあります。角地と両方に当てはまれば、合わせて20%です。

建ぺい率そのものの出し方は、建ぺい率・容積率の記事にまとめています。

建ぺい率が増えるのは、役所の指定に当たる角地。1.角地(役所の指定)は、道路の角にある土地のうち役所が指定したものだけで、建ぺい率+10%。2.防火地域などで火に強い造りの建物を建てると、建ぺい率+10%。3.両方に当てはまれば、合わせて+20%

角地緩和で増える1階の広さ|坪数別の早見表

角地緩和で増える1階の広さは、「土地の坪数×10%」です。元の建ぺい率が40%でも60%でも、上乗せされる割合は同じ10%だからです。

早見表:土地の広さと建ぺい率から、1階の上限を見る

土地の広さ建ぺい率通常の1階の上限角地(+10%)角地+防火(+20%)
30坪40%12坪15坪18坪
30坪50%15坪18坪21坪
30坪60%18坪21坪24坪
35坪60%21坪24.5坪28坪
40坪50%20坪24坪28坪
40坪60%24坪28坪32坪
50坪60%30坪35坪40坪

※ 建築基準法53条をもとに、マイホーム研究所が計算(1坪=約3.3㎡)。角地の列は、役所の指定に当たった場合の数字。

30坪・建ぺい率60%の角地なら、1階の上限は18坪から21坪に増えます。増える3坪(約9.9㎡)は、畳にするとおよそ6畳分です。

表にない広さは、次の式で出せます。

角地の1階の上限 = 土地の坪数 ×(建ぺい率+10%)

家全体が広くなるかは、容積率で決まる

角地で増えるのは1階の広さの上限だけで、全部の階を足した広さの上限(容積率)は増えません。角地緩和は建ぺい率の決まり(53条)で、容積率は別の条文(52条)で決まっているからです。

1階と2階を同じ広さにした2階建て(総2階)で、40坪の土地の例を見てみます。

表:40坪の土地に建てられる2階建ての合計(総2階の場合)

建ぺい率/容積率通常角地家全体は広くなるか
40%/80%32坪32坪広くならない
50%/80%32坪32坪広くならない
50%/100%40坪40坪広くならない
60%/150%48坪56坪8坪広くなる
60%/200%48坪56坪8坪広くなる

※ 「1階の上限×2」と「容積率の上限」の小さいほうを、建てられる合計としてマイホーム研究所が計算。

建ぺい率50%・容積率100%の角地なら、1階の上限は20坪から24坪に増えますが、合計の上限は40坪のままです。1階を4坪広げたら、2階を4坪小さくすることになるのです。

この組み合わせでも、1階を広く2階を小さくしたいときや、平屋を広くしたいときには、角地の10%が生きます。平屋なら24坪まで建てられます。土地の広告を見たら、建ぺい率と容積率を2つ並べて見ましょう。

前の道路の幅が12m未満だと、容積率が広告の数字より小さくなることもあります。出し方は建ぺい率・容積率の記事のケース2にまとめています。

角地の条件は役所によって違う|主な都市の比較

同じ角地でも、役所によって対象になるかどうかが分かれます。道路が交わる角度、道路に接する長さ、道路の幅の条件を、それぞれの役所が決めているからです。

表:主な都市の角地の条件(各役所の公式資料より・2026年10月時点)

役所道路が交わる角度道路に接する長さ道路の幅など
東京都(都の細則)120度未満敷地の周りの長さの1/3以上—
横浜市120度以下敷地の周りの長さの3/10以上2本の幅の合計が10m以上など、6つの型
名古屋市120度以下敷地の周りの長さの1/3以上それぞれ6m以上・合計15m以上
大阪市150度以下敷地の周りの長さの1/3以上①一方が10m以上/②両方4m以上で、角に2m以上の隅切りがある
京都市135度以下敷地の周りの長さの1/4以上それぞれ5.5m以上・合計14m以上(敷地200㎡以下なら幅の条件なし)

※ 条件の一部を抜き出しています。東京都の行は、都の細則で決まる地域の数字です。江戸川区・板橋区のように、区が自分の細則で決めているところもあります。

たとえば、幅4mの道路2本が交わる角の土地で比べてみましょう。名古屋市では、道路の幅がそれぞれ6m以上必要なので、対象になりません。大阪市では、角に2m以上の隅切り(角を三角に切って道路として空けた部分)があれば、道路の幅の条件は満たします。

幅4mの道路2本の角でも、役所で分かれる。名古屋市は道路の幅がそれぞれ6m以上必要なので、幅4m×2本では対象にならない。大阪市は両方4m以上で角に2m以上の隅切りがあれば、幅4m×2本でも道路の幅の条件は満たす

隅切りは、角地緩和とは別に求められることがある

角地には、角地緩和の条件とは別に、隅切りが求められることもあります。条例で隅切りを決めている役所があるからです(東京都など)。

東京都の建築安全条例では、幅がそれぞれ6m未満の道路が交わる角の土地(角度120度未満)は、底辺2mの三角形を道路のように空けます。直角の角なら、広さは約1㎡(約0.3坪)です。

隅切りの部分も、敷地面積に入れられる役所があります(東京都・横浜市の資料)。ただし東京都の資料では、空けた部分に塀などを置けません。

角の隅切りは底辺2mの三角形(東京都の例)。幅がそれぞれ6m未満の道路の角(120度未満)は、底辺2mの三角形を道路のように空ける。直角の角なら約1平方メートル(約0.3坪)。敷地面積に入れられる役所もあるが、空けた部分に塀などは置けない

自分の土地が対象になるかを確かめる3ステップ

自分の土地が対象になるかは、役所の建築指導課が判断します。角地の指定を、その土地を受け持つ役所が決めているからです。

自分の土地が対象かを確かめる3ステップ。1.役所の決まりを「市区町村名+角地緩和」で探す。2.広告の建ぺい率に角地の10%が入っているかを不動産会社に聞く。3.建築指導課に道路の幅・角度・接する長さを伝えて確かめる

ステップ1. 役所の決まりを探す

まず「市区町村名+角地緩和」で検索して、役所のページか資料を探します。角度・接する長さ・道路の幅の条件が、図つきで載っていることが多くあります。小さな町や村では県が決めていることがあるので、見つからなければ「都道府県名+角地緩和」でも探しましょう。

ステップ2. 広告の建ぺい率が、加算の前か後かを聞く

広告の建ぺい率に角地の10%が入っているかは、不動産会社に聞きます。書かれた数字が加算を含めたものかどうかを、資料だけで見分けられないことがあるからです。「角地の10%を足す前の建ぺい率は何%ですか」と聞けば、元の数字が分かります。

ステップ3. 建築指導課で確かめる

建築指導課には、道路の幅・道路が交わる角度・道路に接する長さの3つを伝えます。土地の図面(測量図)があれば、持っていくと話が早く進みます。隅切りが必要かどうかも、このときに聞いておきましょう。

前の道路の幅が4m未満なら、セットバック(敷地を道として空けること)の扱いもあわせて聞きましょう。減る広さの出し方は、セットバックの記事にまとめています。

角地の+10%は、指定に当たるか、何坪増えるか、容積率に余裕があるかの3つで見ます。広さの上限が分かったら、次はその中に希望の間取りが入るかを確かめる番です。

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よくある質問

道路ではなく、公園や川に接していても対象になりますか

対象にしている役所があります。横浜市・大阪市・東京都江戸川区などです。条件は役所ごとに違うので、その土地の役所に聞きましょう。

防火地域の加算と合わせて+20%になるのは、どんなときですか

角地の指定に当たり、さらに次のどちらかに当てはまるときです。

  • 防火地域(建ぺい率80%の地域を除く)で、耐火建築物など(法律で決まった、火に強い造りの建物)を建てる
  • 準防火地域で、耐火建築物など、または準耐火建築物などを建てる

自分の家の建て方で当てはまるかは、住宅会社や建築士に確かめましょう。

まとめ|角地の+10%は、指定・坪数・容積率の3つで見る

  • 角地緩和は、役所が指定した角地だけ、建ぺい率が10%増える決まり
  • 増える1階の広さは「土地の坪数×10%」。30坪なら3坪
  • 容積率は増えない。組み合わせによっては、家全体の広さは変わらない
  • 条件は役所によって違う。隅切りが求められることもあるので、建築指導課で確かめる

次は、気になる土地の役所の資料を探しましょう。対象になりそうなら、早見表で増える広さを出し、容積率で家全体が広くなるかを見ます。

参考・出典(すべて2026年10月22日確認)

※本記事は2026年10月22日時点の法令と各市の資料にもとづく一般的な解説です。角地の指定条件は役所ごとに異なります。個別の土地については、その役所の建築指導課へご確認ください。

マイホーム研究所 編集人

この記事を書いた人:マイホーム研究所 編集人

宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー/賃貸不動産経営管理士

仕事で不動産会社や工務店と日常的に関わりながら、いま自分自身も注文住宅を建てている最中です。売り手の論理ではなく、建てる人の側から発信しています。